これから堅実に投資リターンが期待できる国としてVIP国があげられているのは以前も書いたと思います。
「VIP」とは、Vietnam・Indonesia・Philippinesの頭文字です。
この中でも、特にフィリピンはほとんどの人が英語を喋るため、英語でビジネスできる国として期待が高まっています。
フィリピンで起業し、英語ができる社員を雇い、世界中をマーケットとして展開しやすいというのは今後非常に求められる戦略です。
この背後に、さらにアドバンテージを取れる理由はありますが、それはまたの機会に。
下記は先日の日経新聞の記事
アメリカ大統領となったTRUMPブランドはアメリカだけではなく、アジアの発展国、中国にも影響力が大きくなったと言っています。
マニラにおいては、
トランプ・タワー・マニラの建設工事がほぼ最終段階。
部屋を買ったオーナーにはすでにメールが届き、内部や工事の進捗状況が下記のような写真付きで紹介されています。
アントニオ氏の強運
デベロッパーのセンチュリープロパティ会長のアントニオや息子はドナルド・トランプ氏とは以前から懇意であり、アメリカ国特大使の身分となっていることも書かれていますね。
フィリピンに渡ってくる投資家さんたちは、ドゥテルテ大統領側近や何人もいる弁護士など周辺の事業や投資話も多く持っているようですが、トランプ氏と不動産事業のパートナー契約の際には、よもや大統領にまでなるとは思っていなかったはず。
センチュリープロパティのホセ・アントニオ、フィリピン大統領ドゥテルテ氏、そしてドナルド・トランプ氏の強運を抜きにして投資を考えることはできないでしょう。
「トランプブランド」アジアに触手 政治との境界曖昧
2017/2/22 0:42
【ジャカルタ=鈴木亘、ニューヨーク=平野麻理子】「トランプ」のブランドを冠したリゾート施設や集合住宅がアジアで続々と建設されつつある。トランプ米大統領がビジネスから身をひくと宣言した後も家族らの手で事業拡大が進む。政治とビジネスの境界線が曖昧になり、利益相反の問題もはらんでいる。
トランプ氏の就任式前日の1月19日。「インドネシアのメディア王」と呼ばれるハリー・タヌスディビョ氏は、ジャカルタの自宅から約1万6千キロメートル離れたニューヨークの高級レストランで昼食をとっていた。同席していたのは、トランプ氏の息子、ドナルド・トランプ・ジュニア氏だ。
トランプ氏は2015年、タヌスディビョ氏率いるMNCグループとバリ島やジャカルタ南方のリドで「トランプ」の名を冠した高級リゾートを開発することで合意済みだ。MNCはテレビ事業を柱とする複合企業。現地でゴルフ場開発などを手がけるMNC傘下の不動産会社がリゾート施設を建設し、トランプ氏側が運営する計画だ。
会談内容は明らかになっていないが、ビジネスにとどまらなかった可能性もある。実はタヌスディビョ氏は自身が立ち上げた政党「ペリンド党」の党首も務めており、かねて政治的野心が強い。トランプ氏の大統領選勝利後は外国メディアに「19年のインドネシア大統領選への出馬を検討している」と話すなど、トランプ氏への接近は様々な臆測を呼んでいる。
トランプ氏は約500の企業に役員などの肩書で関わる。中核企業「トランプ・オーガニゼーション」は非公開企業のため、ビジネスの全貌をつかむことは難しいが、中核事業はホテルやゴルフ場の開発など不動産だ。
マンハッタンの目抜き通り5番街にそびえ立つ「トランプタワー」や、安倍晋三首相を招待した「冬のホワイトハウス」と呼ぶフロリダ州のゴルフコース付きのリゾートなどを所有・運営する。トランプ氏自身は保有資産総額を「100億ドル(約1兆1千億円)を超える」と主張する。
一方、米メディアは資産規模を30億~40億ドル程度と推計する。食い違う理由は、トランプ氏が高級マンションや香水、ステーキやミネラルウオーターまで、自身の名前で商品販売する権利を貸し出す「ブランドビジネス」の評価額に大きな差があるからだ。トランプ氏側は「30億ドル以上の価値がある」と主張するが、専門家らは10分の1程度の価値とみる。
それでもトランプ氏のブランドビジネスは米国から遠く離れたアジアで着実に広がっている。
フィリピンの首都マニラ。57階建ての高級コンドミニアム「トランプタワー」の建設が最終段階を迎えている。現地不動産会社センチュリー・プロパティーズ・グループが開発し、広さ60~400平方メートルの部屋を250室以上抱える。
同社のホセ・アントニオ会長兼最高経営責任者(CEO)の息子がトランプ氏の娘イバンカさんとニューヨークで知り合い、家族ぐるみで親交を深める中、12年にブランド使用契約を結んだという。27階まで建設が進んだ15年1月時点で94%が売れるなど売れ行きも上々。今春にも引き渡しが始まる見通しだ。
問題は政治色の強い経営者の多いアジアで、政治とビジネスの境界線がますます曖昧になっている点だ。フィリピンのドゥテルテ大統領は昨年10月、アントニオ氏を「米国との経済関係を強化する特使」に任命した。アントニオ氏と米国との個人的なパイプに比政府が期待を寄せる様子がうかがえる。
利益相反の問題もくすぶる。中国では今月、トランプ・オーガニゼーションによる「TRUMP」の商標登録が認められた。トランプ氏は10年以上前の06年から商標登録を申請していたが、既に中国人が登録していたため認められなかった。
それが一転、昨年9月に中国当局が中国人の商標登録を無効と判断。11月の大統領選で勝利したトランプ氏に登録を認めた。米国の弁護士などからは「中国がトランプ氏に影響を及ぼそうとしているのは明らか。米国にとってリスクが高い」との批判があがる。
トランプ氏は大統領任期中に新規の海外案件を手がけない方針を表明。AP通信によると、既にインドなど数カ国で検討してきたプロジェクトを中止したという。ただ、既に契約済みの計画は継続される見通し。自身の会社がビジネスを行う国々と公平に外交を行えるのか。確証はない。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM21H7V_R20C17A2FF1000/